個々のトレードの勝率について
システムトレードを始めた頃、
ネットや書籍で情報を集めながら、
どうにか自分で売買ルールを作って運用していました。
で、そのとき作った売買ルールの勝率が
だいたい60%ぐらいだったんですね。
これが、高いか低いかはこの際どうでもよくて、
当時の私は、勝率60%ということは5回中3回勝つ、
1週間に5営業日だから、3日勝って2日負ける感じかぁ・・・
なんてアホなことを思っていたんです。
実際に運用してみればすぐ分かりますが、
1週間すべて負けることなんて普通にありますし、
もっと連敗が続くことだってあります。
もちろん、反対に勝ちが続くこともあるわけですが、
5日のうち3日勝つ、なんて感覚でいると、
たちまち精神的に耐えられなくなってきます。
売買ルールの勝率というものは、
パフォーマンスを評価するうえでの
大事な要素の一つではあると思いますが、
考え方には気をつけなくてはいけない要素でもあります。
売買ルールの検証期間における総取引回数のうち、
利益となった取引の割合が勝率なわけですが、
信頼できる検証結果を得るためには
それなりに長い検証期間を取る必要があります。
(日足での検証なら10年とか)
長い期間の中には、その売買ルールの
得意な相場もあれば苦手な相場もあるため、
部分的に切り取って見ると勝率にはかなりばらつきが出ます。
勝率60%は、10年間の検証なら
その10年間トータルでの結果ですので、
1週間なんて短い期間でみても
同じ結果にはまずならないですよね。
もちろん、この売買ルールの検証が妥当なものであれば、
取引回数を重ねていくうちに、実運用での勝率も60%付近に
落ち着いてくるとは思います。
あと、勝率について気をつけなくてはいけないことは、
それ単体で評価をしてはいけない、ということかと思います。
よく言われることですが、勝率99%のルールがあったとしても
1%の負けの金額が99%の勝ちの金額を上回ったら、
トータルで負けですからね。
一般的に、売買ルールの勝率を高めようとすると損益率が悪くなり、
損益率を改善しようとすると勝率が低くなるという、
トレードオフの関係があります。
そして、両方を高めようとすると、トレードを厳選することになるため、
取引回数を犠牲にすることになります。
取引回数を減らすと、無駄なトレードを省けるというメリットがある反面、
統計的な信頼性が低くなるというデメリットもあります。
相場というものは、うまいことできているようで、
何かを得ようとすると何かを犠牲にする必要があるようです。
結局、最終的にはどうバランスを取るかということと、
あとは好みの問題ですね。
高い勝率でコツコツいくか、
低勝率でもたまのホームランを狙うのか。
よく、トレード商材のセールスレターなんかでは、
勝率と利益率の高さをうたっているものを見かけますが、
それだけでそのルールの評価はできない、というわけですね。