勝率のワナ

売買ルールの勝率について少し考えてみたいと思います。

といっても、勝率は高い方がいいだとか、
利益を上げるのに勝率はあまり関係ないとか、
そういう議論ではありません。

 

一応、一般的なことをいえば、
勝率と利幅は反比例する傾向があるということ。

勝率の高い売買ルールの特徴としては、
・小さな勝ちを多く積み上げていく。
・勝つことが多いのでメンタル面で比較的楽。
・損益に占めるコストの比率が大きくなる。
・負けるときに大きく負ける可能性がある。
といったところです。

一方、勝率の低い売買ルールの特徴は、
・勝った時の利幅が大きい。(というか大きくしないと勝てない。)
・損益に占めるコストの比率が小さい。
・損切りや利益の吐き出しが多いのでメンタル的にしんどい。
要は高勝率ルールの逆ですね。

どちらもメリット・デメリットがあり、
どっちがいいかは人それぞれ、ということかと思います。


ただ、売買ルールの勝率で注意しなければならないことは、
あくまでもその数字は、過去何年かのデータで検証した
トータルの結果であることです。

例えば、勝率50%の売買ルールがあったとします。

勝率50%と聞くと、なんとなく
2回に1回勝つ(負ける)と思ってしまいます。

確かにまぁそうとも言えるのですが、
実際には勝ちと負けが交互に来るわけではありませんよね。

勝率50%というのは、
仮に1000トレード分の検証結果だとすれば、
勝ちが500、負けが500だったということで、
勝ち負けの分布がどうだったかは関係ないわけです。

極端な話、500連勝して500連敗しても
トータルでみたら勝率50%です。

実際にはそこまで極端なことは起こらないと思いますが、
10連勝、10連敗程度はざらに起こります。

検証結果を年単位や月単位で分解してみてみると、
勝率にはけっこうバラつきがあったりします。

これは、大抵の売買ルールには得意とする相場環境と
そうでない相場環境があるからです。

トレンドのありなしやその方向、
ボラティリティの大きさなど、
相場環境と売買ルールがうまくハマれば
勝ちが続きやすいですし、
そうでなければ負けが続きやすい、というわけです。

実際に運用していると、
連勝より連敗の印象の方が強く感じるので、
検証で得られた勝率より
低く感じることが多いと思います。

なので、売買ルールの勝率というのは、
注意して見る必要があるんですね。


かくいう私自身も、シストレを始めた頃ですが、
自分が作った売買ルールが勝率60%だったので、
週(5営業日)のうち3日は勝てるんだなぁ
なんて考えていた時期があります・・・

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