市場全体のトレンドをフィルターにする
以前の記事で、簡単なトレンドフィルターの使用例を書きました。
その際は、仕掛ける対象の個別銘柄自体のトレンドを
フィルターとして使いました。
上記の記事の中でも触れましたが、トレンドフィルターにも
いろいろな設定の仕方がありますので、
今回は、市場全体のトレンドをフィルターとした場合の
使用例を書いてみようと思います。
サンプルとして、曜日のアノマリーを検証したときに使った
単純な売買ルールで試してみます。
基本条件
・対象期間:2000年1月~2015年9月中旬
・対象銘柄:東証1部、2部、ジャスダック、マザーズ上場全銘柄
・終値が100円より大きい(低位株を排除)
・売買代金の3日平均が1億円以上(流動性の低い銘柄を排除)
・手数料やスリッページは考慮しない(傾向を見るため)
①順張りルール
・25日移動平均乖離率が5より大きい
・前日高値+1Tickで逆指値買い
②逆張りルール
・25日移動平均乖離率が0より小さい
・前日安値-1Tickで指値買い
それぞれ寄り引けの場合とオーバーナイトした場合の結果です。
これにトレンドフィルターをかけてやるわけですが、
今回は日経平均株価を使ってみます。
「日経平均の終値が25日移動平均線より上」
の場合だけエントリーする、
という条件で検証してみます。
傾向としては、
順張りはそこそこよくなりますが、
逆張りはかえって悪化してます。
考えられる理由としては、
市場全体が上昇トレンド中に急落する銘柄というのは、
それなりの理由があって下がっているため戻りづらく、
逆に市場全体が下げ基調のときは、
さほど売り込まれる理由もないのに連れ安となる銘柄も多いため、
売られ過ぎによる反発が起きやすいのかもしれません。
ならば、逆張りについては
「日経平均の終値が25日移動平均線より下」
で検証してみます。
やはりこちらの方がよい数値になりますね。
ただし、底無し銘柄も引くことになりますので、
特に何たらショックとかのときには、
一時的に大きなドローダウンにあう可能性大です。
せっかくなので、これをベースにもう少し作りこんでみます。
まず、移動平均乖離率ですが、
傾向を見るために緩くしてあるので、
これをもっと厳しく設定します。
(順張り40以上、逆張り-20以下にしてみます。)
それに直近の値動き(前日、前々日あたり)による
絞り込みの条件をそれぞれ一つ加えます。
順張りについては、スリッページも考えないと
使い物にはなりませんので、
0.3%のスリッページを加えます。
(実際には流動性や証券会社の約定力などによって変わりますが、
とりあえず某販売サイトの標準設定に合わせてみました。)
資金設定は以下のとおり。
・総資金300万円
・10銘柄分散
・手数料500円(往復)
・レバレッジ2倍
※仕掛けと手仕舞いが重なる日を考慮するため。
総資金を超えるポジションは持たない。
トレンドフィルターが真逆でエントリーが重ならないため、
資金を割り振る必要がなく有効に使えます。
結果は・・・
やはり逆張りが落ちるナイフ掴みルールなので、
リーマンショック後が大きなドローダウンになっています。
おまけにもう一工夫。
以前検証した曜日フィルターを使ってみます。
(どう使ったかは分かると思います。)
まだリーマンショック後は厳しいですが、
それ以外はまぁまぁですかね。
もう少し深掘りしても面白いかもしれません。
検証に使ったソフトはこちら(今回も一応紹介)