数年前に流行ったあの手法は今でも通用する?
このところ、思考系の記事が続いたので、
今回はマーケット分析でいってみます。
何年か前まで225先物で流行っていた(?)手法で、
「ダウ逆張り」というものがあります。
日本の市場は海外、特にアメリカ市場の影響を受けやすく、
日本時間の夜間にNY市場が上がれば
翌朝の日本市場の寄付はNYに釣られて高く始まるが、
大引までにはその行き過ぎが修正されて陰線で終わる。
NY市場が下がった場合はその逆になる。
という傾向があるため、
・前日の(当日朝)NYダウが上がっていれば
225先物を寄付で売り大引で手仕舞う。
・前日の(当日朝)NYダウが下がっていれば
225先物を寄付で買い大引で手仕舞う。
基本形はこんな感じで、
あとは好みでフィルターを付けたり、
損切り利食いの設定を入れたりします。
今回はこれを先物ではなく現物株で検証してみます。
基本設定
検証期間 2000年1月~2015年11月25日
対象銘柄 東証1部、2部、JASDAQ、マザーズ全銘柄
(ただし、売りは貸借銘柄のみ)
終値が100円以上
売買代金10日平均が1億円以上
まずは何も考えずに全ての銘柄を寄付で買い、大引で売った場合です。
そもそも寄り引け買いは不利なようですね。
では、前日のNYダウが前日比率0%より小さい場合です。
明らかに改善していますね。
2003年と2014年だけはかえって悪化していますが、
それ以外の年は勝率、期待値ともに良くなっています。
では、売りの場合です。
まずは、貸借銘柄すべてを寄付で売って大引で買い戻した場合です。
買いと違って期待値プラスですね。
では、前日のNYダウが前日比率0%より大きい場合です。
買いと同様に、2003年と2014年以外は良くなっています。
ただ、売り買いどちらも2009年以降は
だいぶエッジ(優位性)が薄れている感じですね。
225先物でもそのころから機能しづらくなっているので、
傾向としてはやはり同じですね。
しかしその原因が何なのかというと、
今一つよくわかりません。
この手法が知れ渡り、多くの人が同じことをするようになった、
いわゆるトレーダーズ効果なのかもしれません。
ただ、2008年と2009年であまりに差が大きいので
それだけではないような気もします。
実際、その手法が書かれた本なんかはもっと前から出ていましたし。
あとはNY市場との相関が弱まっているのかもしれません。
以前はNYの流れを受けて東京に流れてきた資金が、
力を付けてきた他のアジア諸国の市場(中国、インド等)に
向かうようになったとか。
まぁいずれにしても機能しづらくなっているのは事実なので、
少なくとも今のところはメインの売買ルールとするのは難しいですかね。
ただ、効果が弱まったとはいえ、なくなっているわけでもないようなので、
複数の売買ルールで運用しているのであれば、
NYダウをフィルターとして使った売買ルールがあっても
いいかもしれないとは思っています。