株は夜上がる?

前回、「ダウ逆張り手法」を検証した際に、比較対象として、
何も考えずに寄り引けでトレードしたらどうなるかを検証しました。

すると、売りと買いでけっこうな違いがありました。
明らかに売りの方が良い成績でした。

というよりは買いの方が悪い成績、と言った方がよいかもしれません。

225先物は陰線率が高い、という話は聞いていましたが、
現物株でもやはり同様なのでしょうか。

と、疑問に思ったらとりあえず検証ということで、
陰陽線の出現率を調べてみます。

検証は例によってこちらのソフト

基本条件
検証期間:2000年1月~2015年11月
対象銘柄:東証1部、2部、JASDAQ、マザーズ全銘柄
終値が100円以上
売買代金(10日平均)が1億円以上

傾向を見るということを考えると、
株価や売買代金制限を外してもよいのですが、
現実的に取引しないような銘柄を含めてもどうかと思うので、
このような基本条件にしています。


結果は、陽線、陰線、そして十字線(寄引同値)に分類します。

001innsenn01

比率で見るとこうです。
002innsenn02

やはり陰線率が高い・・・
というより陽線率が低いですね。

2005年や2013年でも傾向が同じなのがやや意外です。

寄り引け買いはそれ自体には優位性がなさそうですが、
近年は陽線率が上がってきていることも気になります。

(ちなみに株価や売買代金の制限を外して検証すると
ほとんど動かない流動性の低い銘柄が増えるので、
十字線の割合が激増します・・・)


では、オーバーナイトしたときの傾向はどうか。
前日終値と当日始値で上昇、下落、同値の割合を見てみます。

003yakann01

そしてその比率です。
004yakann02

まぁ予想通りと言えば予想通りなのですが、
見事にひっくり返りましたね。


この結果からすると、日本の現物株は、
日中は下がる確率の方が高く、
夜間に上がる(ギャップアップする)確率の方が高い、
ということが言えそうです。

売買ルールを作る際は、
こういった優位性を見出して構築していくわけです。

ただし注意点としては、
こういった統計的な優位性を実際のトレードで活かすためには
それなりの母集団が必要であるということです。

数回程度の取引回数ではランダムな結果にしかなりません。
今回の検証データなんて300万回以上の取引回数ですからね。

さすがにそこまでリアルでトレードする人はいないでしょうが、
統計的優位性の効果を得るには相当数の取引を積み上げる必要があり、
それなりに時間がかかります。

一貫して継続できるかどうか、というわけですね。

ただ、相場というのは不確実なもの。
いつの間にか相場の環境が変わってしまって
優位性がなくなってしまうという可能性も
常にあるのが悩ましいところです。

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