あなたが株を買いたいときは・・・

とあるまじめなサラリーマンのお話。

 

今、市場がとても活況で、右肩上がりになっています。

私は株でこんなに儲かった、みたいな話が

よく耳に入るようになってきました。

 

それまで資産運用といえば定期預金しかしたことがなかった彼も

そんな周りの声が気になるようになってきます。

 

「株なんてギャンブルと同じだ。」

「働きもしないでお金を得るなんて間違っている。」

 

自分にそう言い聞かせますが、

そうしている間にも日経平均はどんどん上がっていきます。

 

そして知り合いや親せきなどにも

株で儲かった、という人が現れます。

 

「どうしてやらないの?」

 

と周りのみんなは笑いながら聞いてきます。

 

「このままでは自分だけ取り残されてしまう・・・」

 

彼はついに意を決し、定期預金を解約、

証券口座を開設して入金します。

 

しかし、株なんて初めてのこと。

どの銘柄を買ってよいか分からないため、

人気の株雑誌を買い、恐る恐る推奨されている銘柄を買ってみます。

さすがに全力買いはせず、キャッシュは残しています。

 

「これで自分もみんなと同じ。

置いて行かれなくて済む。」

 

彼の買った銘柄は順調に上がり始めます。

 

その後いったん下がり、冷や冷やしますが、再び上昇。

 

「これならもっと買っておくべきだった。」

 

儲けそこなってしまう、という焦りもあり、

残りのキャッシュもつぎ込んでいきます。

 

「自分も株でひと財産作れるのでは?」

 

もちろん、この後の展開はお分かりですね?


この上昇相場での最後の買い手が彼でした。

彼に株を売ってくれたのは、

上昇相場の初期に仕込んでいたプロです。

 

新たな買い手もおらず、パンパンに膨らんだ市場がどうなるか。

泡が弾けるように、一気に崩壊します。

 

大暴落の始まりです。

買い手がほとんどいないのですから、

株価はどんどん落ちていきます。

 

ときどき買いが入り、小さくリバウンドすることはありますが、

なかなか底は見えません。

 

超初心者の彼は、途中のリバウンドで損切りすることもできず、

ただただ回復を祈るばかりです。

 

そして買値の半額もあっさりと割り、

もうだめだ、とようやく手仕舞いの決心をして

売り注文を出します。

 

大きな損を出してようやく手仕舞いすることができました。

「もう2度と株なんか買うもんか。」


そんな彼の売り注文に応えて、

買い取ってくれた相手は、

彼に株を売ってくれたプロでした。


もうお分かりですね?

そこが相場の大底でした。

 

あなたが株を買いたいときはプロが売りたいとき、

あなたが株を売りたいときはプロが買いたいとき。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ