きっかけ

今回の記事はちょっと重めです。

また、トレードと直接は関係のない話ですので、

スルーしていただいても構いません。

 

前回、「時間の使い方」について書き、

その中で 時間=命 であり、

使い方をよく考えよう、ということを書きました。

 

今回は、私がそういう考えを持つにいたる

「きっかけ」となったある出来事について

お伝えしようと思います。

 

 

今から数年前、

当時所属していた部署で、

私は一人の上司とコンビを組むような形で

仕事をしていました。

 

その上司は、二人のお子さんを産み育てながらも

女性管理職として仕事もきっちりとこなし、

だからといって厳しすぎるわけでも、

逆に甘すぎるわけでもなく、

とてもバランスのとれた方でした。

 

仕事に対しては、とても真剣に取り組むのですが、

小さい子どものいる私のことを気遣ってもくれ、

だいぶ助けてもっらたと思っています。

 

その上司と組んで、1年と1月ほど経ったとき、

確か5月の連休の谷間のときだったと思いますが、

上司が体調不良で急に休みを取りました。

 

そこそこ重要な会議の予定があり、

そんな日に急に休みを取るなんて珍しいことでした。

 

そして次の日もまた上司が体調不良で休みを取っており、

しかも何日かかかりそうだとのこと。

 

どうしたのかなぁ・・・と気にはなったものの、

どうにかできるものでもなく、数日たったある日、

私の携帯にその上司から電話がかかってきました。

 

「今職場の近くに来ているので、他の人に知られずに来てほしい。」

 

いったい何事か?とは思いましたが、

とりあえず承諾し、仕事場を抜け出しました。

 

指定された場所まで行ってみると、

上司が待っていたのですが、

その姿を見て、ほんの一瞬ではあったと思いますが、

心に大きな動揺が走りました。

 

直接会ったのは1週間ぶりくらいだったと思いますが、

人間ってたった1週間でこんなにも痩せるものなのか、

というくらい痩せ細ってしまっており、

その姿を見た瞬間、上司が言葉を発する前に

どういうことなのか理解していました。

 

・自分が癌にかかっていること。

・一度は良くなったが、最近になって再発したこと。

・いつ復帰できるか分からないこと。

 

そんなことを上司は淡々と話し、

懸案となっている業務のことや

庶務的なことなどについても話し始めたので、

それに答えながらも、心の中では

「そんなことどうでもいいから早く治療に専念してくれ!」

と叫んでいました。

 

一通り話が終わり、

上司はご家族が向かえに来るとのことだったので、

私は仕事場へ戻りました。

 

別れ際に上司はふらふらと立ち上がり、

私に向かって深々と頭を下げたのです。

 

それが、私がその上司を見た最後であり、

その姿は今でも脳裏に焼き付いています。

 

 

上司が亡くなったのはそれから約2週間後でした。

 

 

 

その上司は歳も私より8つ上なだけで、

子どももまだ中学生と小学生、

人生まだまだこれから、というときでした。

 

上司が人生の最後を迎えるに当たって、

どんな心境だったのか、

それは私には分かりようがありません。

 

ただ、最後に話をしたときの様子から、

どこか達観しているようにも感じられました。

 

何かご自分なりに成し遂げたと思えることがあったのか、

それなりに充実した人生だったと思われていたのか・・・

 

 

 

私にとって、その上司は、

特別に親しかったというわけではありませんが、

(もちろん尊敬はしています。)

1年以上一緒に仕事をしてきた人が突然亡くなってしまったことで、

いろいろと考えさせられました。

 

 

人って、こんなにあっさりとこの世からいなくなってしまうものなのか・・・

 

自分があと8年しか生きられないとしたら、今こんなことしてていいのか・・・

 

 

この出来事が、私のとってのひとつの「きっかけ」でした。

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