グランビルの法則から考えてみる

投資やトレードの手法でよく
「〇〇投資法」「○○の法則」といったモノを
見たり聞いたりしたことがあると思います。

中にはあやしげなモノもありますが、
理にかなっていると思えるモノもあり、
学んでみると何か気づきがあるかもしれません。

ただ、気を付けないといけないこともあります。

 

例えば、移動平均線を利用した売買判断の方法で
「グランビルの法則」というものがありますね。

古典という言い方が良いのかはわかりませんが、
エントリーポイントを判断する方法として、
古くから使われているものです。

すでにご存じかもしれませんが、
念のため簡単に説明します。

グランビルの法則には
4つの買いサインと4つの売りサインがあります。

G-0

買いサイン①
移動平均線が右肩下がりを続けた後に横ばい又は上昇となっている状態で、
価格が移動平均線を上抜いた時

買いサイン②
移動平均線が右肩上がりの状態で、価格が移動平均線を割った後に
移動平均線に向けて回復する動きが見られた時

買いサイン③
移動平均線が右肩上がりの状態で、価格が移動平均線に向かって下がり、
移動平均線の手前もしくは移動平均線にタッチして反発に転じた時

買いサイン④
右肩上がりで推移していた移動平均線が
横ばいまたは右肩下がりに転じた状態で、
価格が移動平均線から大きく離れて下落した時

売りサイン①~④
買いサインの真逆です。

相場の動きの特徴をとらえた理にかなった考え方だと思いますが、
はたしてこれが実戦で使えるものなのか、
実際のチャートでも確認してみましょう。

※今回使用したチャートはトヨタ自動車の日足です。

G-01

上のチャートで見ても
法則が働いているようですね。

他にも探せばいくらでも見つかります。

これなら実戦で勝てる・・・でしょうか?

 

そう簡単にはいきませんよね。

もしリアルトレードで使うとすると、
例えば上のチャートの場合、

G-02

この位置でエントリーの判断をしていなくてはいけないわけです。

下のチャートでは移動平均線が下向きから横ばいになり、
価格が移動平均線を上抜いています。
買いサイン①でしょうか。

G-03

これを右端のポイントで買いエントリーした場合・・・

G-04

あらら?

では、これならどうでしょう。

G-05

価格が下向きの移動平均線から大きく乖離しました。
買いサイン④?

G-06

底ぬけちゃいましたね。


これはグランビルの法則に限った話ではありませんが、
トレード本などで解説されているチャートは
すでにその現象が終わってしまっていて、
そして結果が良好であった場面なわけです。
(そうでないと解説できませんからね・・・)

ですが、実戦ではその現象が起こる前、
起ころうとしている瞬間に判断しなくてはいけません。
つまり、チャートの右端ですね。

その時は分からなかったけど後から見たらそうだった、
ということもありますし、
先ほどの例のように、うまくエントリーしたと思ったら、
結果的に違った、なんてこともあります。

そして、うまくいかないケースが何度かあると、
「全然使えないじゃないか!」
となるわけです。

 

グランビルの法則であれ何であれ、
うまくいくときもあればそうでないときもあります。
それでもそれらの手法を使って利益を上げる人がいます。

同じ手法を使って利益を出せる人と出せない人がいるということは、
それによって導きだされる答えは一つしかありません。

大事なことは手法そのものにあるのではない、ということです。

2 Responses to “グランビルの法則から考えてみる”

  1. 川向 より:

    グランビルの法則の解説がありましたが、グランビルの法則にしたがって買いを入れる場合、移動平均線が右上がりの場合に限れば有効性が高くなるようにおもいます。

    • Mariku より:

      川向さま
      コメントありがとうございます。
      確かにそうかもしれませんね。
      もともと買いサイン②③は移動平均線の上向きが前提ですが、
      ①も横ばいよりは上向きのときの方が有効かもしれません。
      ④にしてももっと長期の移動平均線が上向きであれば信頼性が増すかもしれません。
      (長期線で見たら②や③が成立している場合もあるでしょう。)
      あとは、「上向き」「上抜き」「タッチ」「大きく乖離」といったことを
      具体的にどう定義するかですね。
      それを明確にしておかないとチャートの右端ではなかなか判断できませんから、
      検証を重ねていくことで自分の形ができていくと思います。

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