テクニカル分析は使える?使えない?
トレードをしている人は、裁量であれシステムであれ、
何らかのテクニカル分析を使っていることが多いと思います。
もちろんファンダメンタル派もいるでしょうし、
もっと違うやり方もあるかもしれませんが、
程度の違いこそあれ、テクニカル分析を使う人は多いと思います。
例えば、システムトレードで、
25日移動平均乖離率が-15%以下になったら買いエントリー、
0%になったら手仕舞い売り。
という売買ルールがあったとして、
これが機能しているとします。
(例えば、ですよ。検証はしてませんから・・・)
これをどう考えるか、というのが今回のテーマ。
これを「25日移動平均乖離率が-15%以下になると反発する。
これは使えるテクニカル指標だ。」と考えるのは、
ちょっと短絡的というか危険かなぁと思うんです。
というのは、この考え方だと、
25日移動平均乖離率というテクニカル指標が
その後の値動きを決めているように思えてしまうからです。
その結果どうなるかというと
この売買ルールが不調期に入ったとき、
このテクニカル指標は使えない、という考えになり、
いろいろなテクニカル指標をこねくり回し始めることになります。
そして、何度も同じことを繰り返すことになり、
いわゆる”聖杯探し”のルートへ進んでしまいます。
では、上記の売買ルールをどう考えるか。
価格が急落した後は、その反動が起きやすい。
そのポイントを25日移動平均乖離率で見ると
-15%を超える大きなマイナスになっていることが多い。
つまり、この売買ルールでは
急落によって価格が行き過ぎた状態から
元の方向に戻ろうとする動きを取ろうとしているわけです。
ただ、その行き過ぎのポイントを何かしら決めてやらないと
売買ルールとして成立しませんので、
たまたま25日移動平均乖離率を使っているにすぎません。
これが5日や75日とか他の期間でもいいですし、
乖離率も-10%でも-20%でもよく、
はたまたRSIとか他の指標だって構わないわけです。
(検証は必要ですよ。念のため。)
よく、RSIは30以下で売られ過ぎの買いサイン、
なんて言われたりしますが、
一定期間下げの方が多かった場合、
RSIを見ると低い数値になっている、
というだけのことです。
RSIが30以下だから反発するのではなく、
売られ過ぎで反発しやすいポイントが、
RSIで見ると30以下であることが多いというだけです。
どの指標が使えるとか使えないとかいう人は、
テクニカル指標がその後の値動きを決めると
錯覚してしまっているのかもしれません。
どのテクニカル指標も過去の値動きから計算しているだけですから、
そこに予測能力なんてあるわけがありませんよね。
テクニカル分析は、複雑な相場の状況を
単純化して見るのに非常に便利です。
現状がこうだと次にこうなりやすい、
というコンセプトが先にあって、
その現状を具体的に定義するときに
テクニカル分析が活躍してくれます。
いつも楽しく拝見させていただいています。内容、とても腑に落ちることが多く、学ばせていただいています。
nas様
コメントありがとうございます。
何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
考え方は人それぞれ。気楽に見ていただければと思います。