リスクを受け入れる
投資でもトレードでもそうですが、
相場に資金を投じるということは、
なにかしらのリスクを負っている
と言えるかと思います。
では、リスクとはどういうことなのか、
どのようにとらえておけばよいのか、
というと、けっこうあいまいだったりします。
リスクの定義にもいろいろあるようですが、
どこで調べてもだいたいは
「ある行動や選択を行った場合に発生する可能性のある損失や危険」
というような意味になっているかと思います。
ですが、経済用語としては、
必ずしも損失の可能性だけを指すわけではなく、
「利益や損失に影響を与える不確実性」のこと、
つまりプラスとマイナス両方の概念が含まれています。
プラス面、つまり利益の側をアップサイドリスク、
マイナス面、損失側をダウンサイドリスクと呼ぶようです。
とまぁ、あれこれと能書きを垂れておきながらなんですが、
私の考えとしては、この辺の定義はどうでもよくて、
トレードにおけるリスクとは、
自分の手法で発生する可能性のある損失と
考えておけば十分だと思っています。
大事なのは自分がどれだけのリスクを負っているのか、
しっかりと把握しておくことかと思います。
そして、さらに大事なことは、
そのリスクは現実のものとなりうることを
十分に理解すること、
言い換えれば覚悟を持つことだと思います。
例えば、平均年利100%で最大ドローダウン20%の
売買ルールがあるとします。(もちろん仮定の話です。)
500万円の資金でこの売買ルールを運用していこうとすると、
(あくまで平均ですが)年間利益500万円が期待できる反面、
一時的に100万円のマイナスが発生する可能性があるわけです。
(あくまで過去実績が根拠なので、それ以上の可能性もある)
運用を始める前は、
年間500万円の利益のためなら、
一時的な100万円のマイナスくらい
耐えられると思って始めるわけですが、
実際に運用を始めたら、
いきなりマイナスになる可能性も十分あるわけです。
そのときに、はたしてマイナス100万円まで耐えられるでしょうか。
おそらく耐えられない人が多いんじゃないかと思います。
結果、運用を停止して、他の売買ルールに乗り換え、
同じことを繰り返してやがて相場から消えていく・・・
そしてその裏では、停止していた売買ルールが
大きく利益を伸ばしている・・・
これは、自分の負っているリスクを
頭では理解していたとしても、
受け入れる覚悟まではできていないからだと思います。
そこには、売買ルールに対する理解や信頼が足りない
という要因もあるでしょう。
では、ドローダウンに耐えるのが正解か、というと
それもまた必ずしも正解とは限らないのが
相場のやっかいなところです。
売買ルールの優位性が失われて機能しなくなっている
という可能性もあったりするからです。
売買ルールに対する理解と信頼、
リスクの把握とそれを受け入れる覚悟、
それがあって、ようやく継続的に
利益を出せる可能性がでてきますが、
それでもうまくいく保証があるわけじゃない。
相場で生き残るというのはなかなかたいへんです。