一貫性と柔軟性
言うまでもないかもしれませんが、
トレードは一発勝負ではありません。
長期に渡って地味な作業を繰り返し、
トータルで利益を上げることを目指します。
利益を上げるための手法については、
いろいろとあるわけですが、
どんな手法を使うにせよ、ある程度の一貫性は必要です。
システムトレードの場合で考えてみると、
今日は順張りで明日は逆張りとか、
今週は移動平均線を使って調子悪かったから、
来週はRSIを使ってみようとか。
コロコロと売買ルールを変えたり、いじったりしていては、
その売買ルールの是非が判断できません。
そもそもどんな時でも通用する売買ルールなんて
まず存在しないので、
使っている売買ルールでしばらく損失が続いたとしても
たまたま苦手な相場状況であった可能性もあるわけで、
継続していれば利益になったかもしれないわけです。
もちろん、いろんな手法を理解したうえで
併用したり、切り替えたりすることは否定しません。
ただ、ちょっと調子がいまいちだから、
違う売買ルール、違うテクニカル指標で、
なんてことをやっていては、
永遠に儲かる手法を探し続けてさまようことになります。
一度売買ルールを決めたら、使い続ける一貫性が必要です。
では、売買ルールが出すサインに
盲目的に従い続ければいいのか?
といえば、それもまた違うと思います。
まず、テスト段階でよい成績の売買ルールであっても、
実戦で機能するかどうかは未知数です。
システムトレードはバックテストが拠り所ではありますが、
過去データにフィットさせ過ぎ(オーバーフィッティング)の
危険性は常にはらんでいます。
また、めでたく実戦で機能したとしても、
いつまで機能し続けるかはやはり未知数です。
市場をとりまく環境は不変ではありません。
過去は通用した手法でも今はもう通用しないなんてことは
珍しいことではありません。
システムトレードであっても、市場の変化を察知して、
売買ルールを改善する柔軟性が必要になります。
さて、それでは、自分の使っている売買ルールの
調子が落ちてきたとき、
単なる不調期なのか、ルールそのものが機能しなくなったのか、
どう見分けるのでしょうか?
これについては、自分の売買ルールをよく理解することです。
どのような相場状況のときに、
どのような銘柄のどのような動きを捉えようとしているのか、
そしてその動きはなぜ起きるのか?
そのことを突き詰めて考えていくしかありません。
まぁ、これが非常に難しいんですけどね。
ただ、単純な例でいえば、
順張り買いルールを運用していて、
上昇相場で損失が続いていたら、
何かがおかしい、ってなりますよね。
要はそういうことです。
今回の記事は、一見すると前半と後半で
相反することを書いているようにも見えますが、
大事なのはバランスです。
一貫性と柔軟性のバランス
そしてそのバランスを支えるのが、
売買ルールについての理解、というわけです。