不労所得
トレードの利益は不労所得でしょうか?
結論から言えば、答えはNOだと思っています。
まず、何をもって不労所得とするか、ですが、
文字通り、労働せずに所得を得ること、
仕事をしないで収入を得ることだとしましょう。
その観点でトレードを見てみます。
トレードするときは、まず対象とする市場を決め、
売買ルールや資金管理方法を考え、
過去データによる検証を繰り返したうえで決めていく。
日々、仕掛けや手仕舞いのサインを確認し、
売買サインがあれば発注作業を行い、
トレードの結果を確認して記録を付ける。
常に売買ルールに異変がないか監視し、
改善点を探るとともに、新たな売買ルールも検証する。
自分の資産がリスクにさらされる精神的ストレスに耐えながら、
こうしたことを、自分の時間を削ってこなしていく。
そして、市場に流動性という価値を提供する。
まったくもって「不労」どころではありませんね。
これを仕事と呼ばずして何を仕事というのでしょう?
トレードで稼ぐことに批判的な人というのは、
仕事 = 誰かに雇われて働くこと
だと思い込んでいるのではないでしょうか。
そして、お金を得る方法はそれしかなくて、
それ以外の方法でお金を得ることは悪いことである、
と思い込んでいるんでしょうね。
別にお金は労働の対価としてあるわけではありませんよね。
誰かが誰かに何らかの価値を提供し、
その見返りとしてお金が支払われる。
もちろん労働にだって価値があります。
雇用主に対して労働力を提供する見返りとして
賃金をもらうわけです。
メーカー視点で見れば、
車や家電製品など、価値のあるモノを作って
ユーザーに提供する見返りとしてお金をもらう、
となるわけですね。
トレーダーは、資本主義経済の根幹を成す市場に対して
流動性という価値を提供することでその見返りを得る。
(見返りが損失の場合もあるのがイタイところですが・・・)
それだけのことです。
トレードの利益は決して不労所得ではないと思いますが、
だからといって不労所得が悪いとも思っていません。
不労であろうとなんであろうと、
世の中に価値を提供できているのなら、
その対価を得るのは当然ですよね。