分散は是か非か
私が株に興味を持ち始めた頃は、
長期分散投資こそが王道というような
主張が多かったような気がします。
(今でも多いのかもしれませんが・・・)
株式投資であれば、いろいろな業種に分散して投資する。
外国為替であればいろいろな通貨に分散して投資する。
あるいは、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券
といったように投資する資産の種類自体を分散する。
この場合、個別の銘柄に投資するのではなく、
各種の指数に連動する投資信託(インデックスファンド)や
ETFを買うことが多いかと思います。
要は、相関性の低い、もしくは逆相関になるような
資産や銘柄を組み合わせてポートフォリオを組むわけですね、
そして、過去のリスクやリターンから、
最適な比率を計算し、資産を配分します。
リスクを覚悟で高めのリターンを望むなら株式の比率を高めに、
安定性を望むなら債券の比率を高めに設定します。
あとは基本放置で、半年や1年に1回、
値上がりして割高になっている資産を売り、
値下がりして割安になっている資産を買うことで、
配分比率を調整します。
(リバランスといいます。)
これだけで、理論的には年率5%以上は
比較的安定的に狙えたと思います。
理論的には・・・
ですが、リーマンショックでは、国内株式は大暴落、
外国株式も同様で、急激な円高でさらに下落、
外国債券も為替相場の影響が大きすぎて暴落、
国内債券だけではポートフォリオを支えられず、
という状況でした。
さらには、REITやコモディティなんかも同様に下がり、
これまでの相関係数はなんだったの?
というくらい、みんな同じ方向へ突き進んでいきました。
では、もう長期分散投資はダメなのか、と言われると
正直なところ、よくわかりません。
数十年のスパンで見たら有効なのかもしれません。
長期分散投資を否定するつもりはまったくないのですが、
長期保有+リバランス という手法は、
少なくとも、私にとっては短期トレードよりもずっと
メンタル的にハードです。
ただ、いずれにしてもこの手法は、
かなりの資産量がないと
そもそも意味がないのでは、と思っています。
例えば100万円程度を25万円ずつ分散投資して、
理論通り年率5%のリターンが得られたとしても、
それがなんだというんでしょう?
これが数千万~億単位とかならわかりますが。
目指すステージにもよりますが、
資金が少ないうちはある程度何かに集中しないと
効率が悪いと考えています。
私の場合、その何かが株のシステムトレードだったわけです、
ただ、システムトレードでもある程度資金が増えてきたら
分散は有効だと考えています。
その場合、分散させるのは主に「時間」です。
寄り引け、オーバーナイト、数日間保有、
というように、時間軸をずらすことにより、
全体の損益が安定する傾向にあります。
あとは、売買ルールのタイプでしょうか。
買いと売り、順張りと逆張り、というように。
結局、分散が有効かどうかは、
持っている資金量と、自分が得たいリターン、
そして何を分散させるかによって
変わってくるんだろうと考えています。