勝ち組と負け組を分けるものは?【タートルズから得られるヒント】
前回、トレードは長く続けたからといって勝てるようになるとは限らない、
マーケットは想像以上に厳しい世界であり、成功するにはそれなりの覚悟が必要、
というような内容の記事を書きました。
では、どうしたら継続的に勝てるようになるかということを
考えていきたいと思います。
トレードで継続的に勝つということはどういうことかというと、
不確実で先の分からないマーケットに対して、
①優位性のあるノウハウを身につけ、
②適切なポジションボリュームを設定し、
③感情をコントロールして①②のルールを守る
ことによって、トータルの損益をプラスに傾けていく、ということです。
①の優位性のあるノウハウが、
いわゆる、トレード手法とか売買ルールとか呼ばれているものですね。
これに関しては、ネット上でも書店でも、
無料のものから有料のものまで、
様々なノウハウが出回っていますので、
何らかの手法を手にすることはさほど難しくないと思います。
問題は、手法を手にしたからといって勝てるとは限らない、ということ。
それは、手法自体が間違っているからでしょうか?
古くなって機能しなくなっているからでしょうか?
あるいは詐欺商材だからでしょうか?
まぁときどきは詐欺商材なんかもあるかもしれませんが、
最近はそれなりに良心的なものが多いんじゃないかと思いますし、
一時的なエッジ(例えば2011年9月から2015年1月までの
スイス国立銀行による為替無制限介入など)を対象としたものでなければ、
古くなって使えない、ということもあまりないと思います。
では、どんな手法を選べばよいのでしょうか?
その答えを知るためのヒントになりそうなことが、
「タートルズ」のエピソードの中にあります。
あの伝説級のトレーダー、リチャード・デニスと
その相棒ウィリアム・エックハートが育てた
トレーダー集団「タートルズ」です。
彼らはデニスとエックハートの下でその手法の全てを学び、
先物市場で莫大な利益を上げていきます。
タートルズ解散後も、それぞれがファンドマネージャーなどになって
有名を馳せていきます。
トレーダーであれば誰でも聞いたことくらいはあると思います。
ですが、意外と知られていないこともあって、
タートルズは全部で23人いたのですが、
全員が成功したわけではない、ということです。
デニスとエックハートは全員に同じことを教えています。
そして最初の訓練期間は全員に同じだけの資金で運用させています。
その期間の結果を見てデニスは誰にどれだけの資金を任せるか決めています。
つまり、同じ師匠から同じ手法を学び、
同じ資金量でスタートしたにも関わらず、
結果には差があったのです。
その後、順調に利益を積み上げていったタートルがいる一方で、
まったく稼ぐことができず、脱落していったタートルもいるのです。
(とはいえ、脱落者は23人のうち3人だそうなので、
普通は勝ち組と負け組の比率が1:9のところが
全く逆の比率ですから、さすがはリチャード・デニスです。)
この事実から導き出せる答えは何でしょうか?
それは、手法そのものが勝ち組と負け組を決めるわけではない、
ということです。
トップトレーダーから同じ手法を学んでも
勝ち組と負け組に分かれるのですから、それは明らかですよね。
では、いったい何が勝ち組と負け組を分けているのか?
手法でないとすればそれは・・・?