勝っているトレーダーの手法を知れば勝てるのか?
勝っているトレーダーの手法を知ることができれば
自分も勝てるようになるのでしょうか?
ここで言う勝っているトレーダーとは、
年単位での長期に渡って利益を上げることができている
トレーダーのことを指しています。
彼らの手法を知り、同じことをすれば
自分も彼らと同じパフォーマンスを得られるのでしょうか?
これは、YESともNOとも言えると思います。
彼らと同じ条件のもと、同じ手法でトレードできれば、
同じパフォーマンスを得られる可能性は高くなりますが、
そもそも資金量だとか、トレードする時間帯だとか、
物理的な条件が合わない可能性があります。
仮にそれがクリアされている、
もしくは問題にならない手法だったとしても
同じようにトレードできるかは、また別問題です。
どんな手法でも100戦100勝はありえない以上、
勝っているトレーダーの手法でも負けトレードは発生します。
その場合、彼らは事前に決めていたポイントで躊躇なく切ります。
そして、それが何回も続くことがありますが、
エントリーのサインが出ればためらわずに仕掛けます。
単に手法をマネしているだけの自分にそれが可能か?
と考えると、恐らくできないでしょう。
それができるようになるためには、
その手法がどんな優位性を持っていて、
どんなときに機能しやすく、どんなときに機能しづらいのかなど、
深く理解することが必要になってきます。
そこまでいけば、おそらくパフォーマンスは上がるでしょうし、
自分の手法を作ることも可能になると思います。
ほとんどの人はこれができず、
というかやろうとせず、
この手法は使えない、と次の手法を探しにいくわけです。
勝っているトレーダーの手法、と聞くと
何か特別なモノを想像しがちですが、
実はよく知られている手法だったり、
使っているテクニカル指標も
よく使われているものだったりします。
勝っているトレーダーがその手法を人に教えないのは、
そうする義務も必要性もないからというのは当然ですが、
そもそもありふれた手法なので、秘密という意識もなく、
いちいち教える意味もないと思っているのかもしれません。
もっとも、手法が広まり過ぎて多くの人が同じ手法を使ったり、
先回りして裏をかこうとする人が現れたりすると、
機能しづらくなるという面はあるかもしれません。
そうなると検証しなおしたりする手間がかかるので、
面倒くさい、ということはあるのかもしれませんね。
結局、トレードというのは、手法を知ることより、
それを実行することの方に困難さがあるんだと思います。
リチャード・デニスとともに伝説のトレーダー集団
「タートルズ」を育てたウィリアム・エックハートは
次のように言っています。
普通の知性があれば、誰でもトレーディングを学ぶことができる。
トレーディングはロケット科学ではないからね。
しかし、トレーディングについては、何をすべきかを学ぶのは、
実際にそれを行うことよりもずっと容易なことなんだ。
優秀なシステムというのは、人間の本性を無視する傾向があるからね。
基礎を学んだ人の中の、ほんのひと握りがトレーダーとして成功するんだ。