売買には根拠を持つ
ある銘柄の上昇を見込んで、
株を買い保有したとします。
ところが、その銘柄はあなたの思惑に反して
どんどん下落していきます。
そこであなたは考えます。
「この企業は決算も良かったし、特に不安材料もないはず。
こんなに下げるのはおかしい。なぜだろう?」
あなたは必死に情報を探し、
この企業のネガティブな情報を見つけ出します。
某雑誌にこの企業の業績を疑問視する記事が出ていたのです。
「これが原因か!」
そう思ったあなたは、今度は逆にポジティブな情報を探し始めます。
すると著名な経済学者やアナリストなどが
ブログやホームページでこの企業の将来性を高く評価しています。
それらを見たあなたは一安心。
「よかった。この下げは一時的なものに違いない。
自分は間違っていなかった。」
で、その後どうなったか。
株価はその後も下げ続け、
数週間後には買い値の半分以下に。
ついにあなたは耐え切れなくなり
手仕舞いします。
その後、何年かして、この企業が開発した新商品が爆発的ヒット、
もちろん株価は爆上げ、もし保有していたらテンバガーでした。
おしまい。
では、問題点を考えてみます。
まず、株を買う時に何を根拠に買ったかです。
企業の将来性を買ったのか?
値動きを見て短期の値上がりを狙ったのか?
前者であれば目先の動きに一喜一憂せず、
じっくりと企業の分析をしてどうするか判断すればよいです。
後者であれば思惑と違う動きをした時点で即撤退です。
そしてそれをあらかじめ決めておかなくてはいけません。
それから、もう一つの問題点。
情報の扱い方ですね。
今回の場合、まず自分の思惑があって、
それに合うように情報を集めてしまっていますね。
自分がポジションを持っているときは
そうなりがちですので要注意です。
それに情報の出し手がどんな意図でその情報を出しているか、
もしかたらその企業の株を持っているのかもしれませんし、
ショート(空売り)しているのかもしれません。
情報が客観的なものかどうか、冷静に見ていきましょう。
もっとも、トレード中のいろいろな情報は
基本的に雑音でしかないので、
むしろ遮断した方がいいくらいです。
今回の例は極端だったかもしれませんが、
売買の根拠は明確にしておきましょうね。
なお、売買というからには、買いと売り、
つまり仕掛けと手仕舞いの根拠はセットです。
短期トレードのつもりで買ったら値下がりしたけど、
優良企業だから長期保有しようとか、意味不明ですから。