未来予測
最初に株に興味を持ったとき、
とりあえず何か勉強しなきゃ、と思い、
書店で本を買った覚えがあります。
それはチャートの本だったのですが、
著者はもちろん、内容もほとんど覚えていません。
たしか、ある一定期間の株価チャートを見て、
その後の動きを予測する、
みたいな構成になっていたと思います。
で、読んでみた結果ですが・・・
はっきりいって、なんにも分かりませんでした。
本の選択ミスだったのか、
私のレベルが低すぎたのか、
何とも言えないところです。
(後者かなぁ・・・)
ただ、このときにチャートに対して
ちょっとしたアレルギーのようなものが
起きてしまったかもしれません。
その後、企業の財務諸表から理論株価を導き出して、
割安な銘柄に投資する、という手法に惹かれます。
今思えば、当時の私にとって、
チャートというものがものすごく曖昧なものに見えてしまい、
何か確たるものを求めていたんだと思います。
そこに仕事柄多少なじみのあった
財務諸表を使った投資手法が
心情的にハマったのだと思います。
ですが、どんなに緻密な計算をしたって、
理論株価は理論株価にすぎません。
その通りになるかなんて誰にもわからない。
チャートがこの後どうなるかわからないのと
何の違いもありません。
いや、むしろ相場の方向(上か下かで確率1/2)を
予測するより、さらに難しい。
未来は誰にも予測できない。
そんな当たり前のことに気づくのに
どれだけ遠回りをしたことか、と思います。
未来予測ができない、ということに気づくと、
かえってやることが明確になってきます。
今の動きについていくとか、
過去の動きを分析して確率の高い方へ賭けるとか、
そんなふうにしていくしかありません。
そして違っていた場合は潔く撤退です。
とてもシンプルですね。
このことにもっと早く気づいていれば、と思うのですが、
人は何かきっかけがないとそれまでの考え方を変えるのは
難しいのかもしれません。
私の場合、そのきっかけがリーマンショックでした。
リーマンショックでは金銭的な打撃はありましたが、
それまでの考え方を変える契機にもなりました。
未来は予測できない。
予測できないものにあれこれ悩んで当てようとしたって
時間の無駄でしかありません。