株のショートポジション(空売り)について
株の信用取引、特に空売りについては、
抵抗があって手を出さない、
という投資家・トレーダーが
けっこう多いという話を聞いたことがあります。
なぜでしょうね?
配当金が目的で現物を長期保有する、
というなら分かります。
ですが、短期売買を繰り返していくのであれば、
信用取引を使わない理由がよくわかりません。
なんといっても資金効率が違いすぎますよね。
レバレッジも3倍まではかけられますし、
現物ではスキャルピングができなかったりしますしね。
(差金決済の禁止ルール)
もちろん、レバレッジについては
無闇に高くすればいい、というわけではありません。
全部成行で仕掛けるような売買ルールで
ハイレバレッジにすると、
約定率が高いためにリスクが大きくなりすぎます。
反面、指値や逆指値で仕掛ける場合は、
その指値までの距離にもよりますが、
約定率が低めになりますので、
レバレッジをかけても
さほどリスクが高くなることはありません。
また、レバレッジを考えなかったとしても
現物取引より信用取引の方が
取引手数料が安いケースが多いため、
多くの売買を繰り返していく短期トレードの場合は、
信用取引の方がコスト面で有利になります。
では、空売りはどうなのでしょうか?
相場の動きは上がるか下がるかです。
(横ばいでも少しは動く)
であるならば、どっちの動きでも取れた方が
有利であることは確かだと思います。
下げ相場では無理に買うより
素直に空売りした方が有利でしょう。
よく、売りの損失は青天井、と言われます。
確かに理論的にはそうなのかもしれませんが、
普通に考えて、破産するまで
売りポジションを抱えている人は
いないのではないでしょうか?
また、現実的に考えてみて、
そんなに何日もストップ高張り付き状態が続いて
手仕舞いができずに損失が際限なく膨らんでいく、
なんてことが起きるでしょうか?
少なくとも私は見たことがないです。
なので、私は特に抵抗なく空売りもします。
ただ、株式市場全体を対象とするような
システムトレードの場合、別の問題があって、
空売り自体の比率は少なめです。
理由は簡単で、買いは上場銘柄全てが
取引対象となるのに対し、
売りは基本的に貸借銘柄のみしか取引できません。
取引対象が少ないと、バックテストにおける
サンプルが少なくなりますので
信頼性がやや落ちるわけです。
そして、売りの難しいところは、
規制がやたらと多いことです。
システムでサインが出ていても
実際には売れないことが多々あります。
特に経験上、高値圏での逆張り売りでは
空売り規制が結構頻発します。
以下、一番悲しいパターンです。
・空売りしたらストップ高張り付きでなかなか手仕舞いできない
・やっと手仕舞いしたところで、同じ銘柄に再度売りサイン
・が、空売り規制が発動し、取引不可
・サインどおりに売れていれば大勝!(泣)
こんなことが何度かありました。
また、上げ相場と下げ相場の値動きの違い
(上げはゆっくり、下げは急)もあって、
システムトレードで機能する売りの売買ルールは
なかなか作るのが難しいと思っています。
そのため、私も売りの売買ルールを
取り入れてはいますが、
全体の中での比率は低くなっています。