自律する力
トレーダーに必要な能力のひとつとして、
自律する力というものがあると思っています。
自己規律というやつですね。
誰かに強制や命令をされて、ではなく、
自分で自分を律する、
つまり、自分で自分の行動をコントロールする、
と言ったらいいでしょうか。
例えば、こんな状況でその力が試されます。
あなたは、人通りのまったくない道で、
財布が落ちているのを見つけました。
中には10万円の紙幣と、
クレジットカードやキャッシュカードなど
大事そうなものがけっこう入っています。
落とした人は相当困っているものと容易に想像できます。
そして、今は周囲にまったく誰もおらず、
あなたがこの財布を持ち去ったとしても
誰かに気づかれる可能性は0に等しいでしょう。
周囲に人がいればそれが抑止力(一種の強制力)になって、
あなたは財布を持ち去ることはしない(できない)でしょうが、
今は、持ち去ろうが交番に届けようが、あなたしだいです。
・・・どうします?
ここで、人として恥ずかしくない行動がとれる人が、
私の考える自律する力のある人です。
トレードでは優位性のある売買ルールを
一貫して運用していくことが重要ですが、
一貫した運用をするために必要なのが
自己規律、自律する力です。
私もそうでしたが、
ついついルールと違うことをしてしまったり、
たまたま場を見てしまったがために
すぐに利確したくなってしまったり、
つい面倒くさくなって分析を怠ってしまったり。
何の強制力もない中で、
一貫した行動を続けていくことは
なかなか難しいものです。
かのリチャード・デニスが言うように
「要は一貫性と規律」なんですね。
では、どうやって自律する力を付けていくか。
これがなかなか難しい問題です。
なぜなら、これは自分で身につけるしかないからです。
人からああしろこうしろと言われて従っている時点で
自律ではなくなってしまいますしね。
参考までに、こんなやり方もあるかなぁ、というところで。
それは「小さな我慢」や「小さな努力」をすること。
例えば、毎晩お酒を飲む習慣があったら、
体のために1日だけ止めてみる。
部屋の床に小さなシミを見つけ、
放っておいても問題はないが、
ちょっと頑張ってきれいにしてみる。
玄関でいつも脱ぎっ放しの靴を
きれいにそろえて置いてみる。
ささいなことでもいいので、
何か今より良くするような行動を
普段よりちょっとだけ頑張ってやってみて、
そんな自分についてちょっと悦に入ってみる。(←これ大事)
「俺って、けっこうやるじゃん。」
これを繰り返していると、何かを選択するときに、
メンタル的にハードな方を選択できる(ようになるかもしれません)。