デイトレード~マーケットで勝ち続けるための発想術~
著者:オリバー・ベレス, グレック・カプラ
訳:林康史, 藤野隆太
出版社:日経BP社(2002/10/21)
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<概要>
アメリカで「トレーダー教育」と「投資情報提供」を手がける
プリスティーン・キャピタル・マネジメント社の共同創業者、
オリバー・ベレス氏とグレッグ・カプラ氏の「トレード哲学」とも言える一冊です。
トレーダーとして成功するための心構えが凝縮されています。
<書評>
タイトルは「デイトレード」ですが、デイトレーダーに限定されるような話ではありません。
トレーダーとして成功するために必要なことは、ほとんどここに記されているのでは?と思える本です。
一応、お伝えしておきますが、原著は2部構成になっていて、1部が心構え的な内容で、
2部がテクニック的な内容になっているそうです。
本書は1部のみの翻訳で、2部は今のところ原著に当たるしかありません。
もっとも1部だけで十分な気もしますけどね。
本書を紹介するにあたり、何か所か引用させてもらおうと思ったのですが、重要な部分がありすぎで絞るのが難しいです。
なので、本書が何を目的にして書かれているのかについて触れられている部分だけ引用してみたいと思います。
本当のところ、トレーディング技能を人に移植することは誰にもできないのである。
魔法の杖の一振りで、意識づけ、精神的な姿勢、勝者の規律と行動のあり方などを伝授することはできない。
自ら、勝つ権利を獲得するしかないのである。
トレーダー予備軍は皆、勝てるだけの可能性を秘めているが、その可能性は未発達であり、それぞれが自らの手で導き出すしかない。
それは個人的な挑戦であり、他人が代わりをすることはできない。
我々ができることはトレーダーが進むべき道を示すことぐらいである。
我々の豊富な知識をもってしても、トレーダーの人生を台なしにするような無数の落とし穴や罠を指摘することができるだけである。
トレーダーに何が機能して何が機能しないのかを教えることはできる。
我々が努力して築き上げた知識を示し、利益の上がる戦略や技術を明らかにすることはできる。
しかし、我々が何をしたところで、トレーダーがそうした戦略や技術をどのように使うかを我々はコントロールできない。
トレーダーの思考回路、感じ方、事象に対する反応などをコントロールすることは不可能だ。
また、トレーダーの恐怖感に影響を与えることも、心理あるいは感情を変えることもできない。
トレーダーが必要な装備をもってゲームに参加できるようにすることはできる。
しかし、トレーダーの荷物を整えてあげた後は、そして、トレーダーの耳元に激励の言葉をささやいた後は、
トレーダーは1人で立ち向かわなければならない。
我々が彼に代わって試験を受けることはできないのである。
我々はトレーダーの準備を手助けすることができるだけである。
それが我々の使命であり、本書の目的もそこにある。
目次
序章
第1章 トレーディングの勝者への誘い
熟練したトレーダーの世界を理解する
第2章 優れたトレーダーへの精神修行
トレーディング行動を修正する鍵
第3章 「逆境」と「損失」
トレーディングで成功するための必要条件
第4章 真の勝者を目指すトレーニング
失ったマネーと時間を取り戻すために
第5章 トレーディングにおける7つの大罪
いかに戦い、打ち負かすか
第6章 熟練トレーダーへの道
成功をつかむための12の法則
第7章 究極のトレーダーの秘密
すべてのトレーダーが知るべき15の掟
第8章 10の教訓
究極のトレーダーになるために
第9章 究極のトレーダーからの最後の言葉
母からの人生の教えとトレーダーへの教訓
もし、これからトレードを始めようという人に最初に読むべき本を聞かれたら、お勧めしたい1冊です。