テクニカル分析とは?
ファンダメンタル分析が企業の資産や業績、
さらには経済の動向まで見据えた分析方法であるの対し、
テクニカル分析は、基本的に株価や出来高の動きのみに着目します。
移動平均線とかボリンジャーバンドとか、
RSIとかMACDだとか、様々な種類があります。
◆テクニカル分析で未来予測はできない
よくテクニカル分析は当たりますか?
という問いをされる方がいます。
この問いそのものが実はピントがずれてしまっているのですが、
あえて答えるとすれば、「当たるときも当たらないときもある」
となります。
テクニカル分析は、過去の値動きから
現在の状況を見極めようとするもので、
けっして今後どうなるかが分かるわけではありません。
こういう説明をすると、次に来る問いが、
ではどうしてその分析で売買できるんだ?
です。
この答えはわりと簡単で、現在の状況が把握できれば、
過去に同じような状況だったときのことが参考にできますよね。
だから過去に同じような状況だったときのことを参考に
売買をするわけですね。
過去の一定期間において、あるテクニカル指標が
ある数値になった場合、
その後上がったケースが何%で下がったケースが何%か、
そしてその値幅や時間はどうだったか、
こういったデータを根拠に、売買のシナリオを立てます。
ファンダメンタルズ分析では、様々な変動要因
(政治・経済、金融情勢、国際情勢、企業業績等)が
検証の対象となります。
そして、その銘柄の本来価値を理論的に導き出し、
現在の価格がこの理論価格よりも
割高なのか割安なのかによって売買を判断します。
つまり、重視するのは本来あるべき「価値」であり、
その「価値」が世の中に認められ、
低かった株価が本来価値に近づいていくことを狙っているわけです。
こういった性質から、ファンダメンタルズ分析による売買は
基本的には長期的な視点になっていきます。
一方、テクニカル分析は、価値ではなく価格に着目します。
先に述べたように、過去の値動きから現在の状況を見極めようとするもので、
オープンな市場では、ファンダメンタル的な需給要因も
市場参加者の心理的要因もすべて価格に織り込まれている、
という考え方がその根底にあります。
そして市場に参加する人間の心理は、
過去も未来も変わらないため、
過去の値動きのパターンは未来でも繰り返されるであろう、
というのがテクニカル分析に基づく売買の根拠です。
人の心理というものは、短い時間でコロコロ変わるものです。
よって、テクニカル分析に基づく売買については、
短期的な視点で考えることが多くなります。
冒頭に述べたようにテクニカル分析には様々な種類がありますが、
万能な指標などは存在せず、それぞれに長所短所があります。
その指標が何を捉えようとしているのか、
どういうときに機能しやすく、どういうときに機能しにくいのか、
こういったことを理解したうえで使っていくことが必要です。