信用取引とは?
信用取引という言葉を聞いたことはありますか?
信用取引とは、文字通りあなたのことを証券会社に信用してもらい、
持っている資金以上の取引を行えるようにすることです。
もちろん、無条件で信用してもらえるほど世の中甘くはないわけで、
証券会社に担保として委託保証金を預ける必要があります。
この担保は、約定代金の30%とされています。
裏を返せば、手持ち資金の約3倍の取引が可能になるということです。
100万円の担保で約300万円分の取引ができるわけですね。
ちなみに担保にするのは必ずしも現金である必要はなく、
株式や国債などの証券で代用することが可能です。
(代用有価証券といいます。)
その場合、保有する証券の時価に対して、
一定の率(掛け目)を乗じた額が代用価格となります。
通常は株式が80%、国債ですと95%の掛け目となります。
◆信用取引のメリット
自分の資金の約3倍までの取引が可能であるため、
資金効率を高める効果があります。
(レバレッジをかけることができます。)
また、現物取引では買いから入るしかありませんが、
信用取引では売りから入ることが可能です。
この場合、証券会社から株を借りて売ります。
いわゆる空売りというやつです。
当然ですが、借りたものはいずれ返さなくてはいけませんので、
株を買い戻して証券会社に返します。
この時、売った時より株価が下がっていれば利益になるわけです。
さらに短期トレードであれば、現物取引と比較して
経費の違いによるメリットもあります。
これが意外と盲点だったりするのですが、
現物取引と信用取引で、同じ金額を取引した場合、
信用取引の方が手数料が安くなるケースが多いです。
そのため、レバレッジをかけたり、空売りをするつもりがなくても、
信用取引をするメリットは大きいものがあります。
◆信用取引のデメリット
これは説明するまでもないかもしれませんが、
3倍の金額で取引すれば利益が3倍になるわけですが、
損失も当然ながら3倍になりますよね。
調子に乗ってリスクを取りすぎると
大やけどをしてしまう恐れがあります。
また、買いの場合は資金を、
売りの場合は株を借りるわけです。
当然、ただで借りられるほど世の中甘くないので、
金利や貸株料を払う必要があります。
利率は低め(1~2%台)なのでたいした負担ではありませんが、
長期になればそれなりに効いてきます。
また、これは取引手法によっては必ずしもデメリットにはなりませんが、
すべての銘柄を空売りできるわけではない、ということがあります。
空売りできる銘柄は、取引所が一定の基準により選定した貸借銘柄のみとなります。
東証に上場している銘柄のうち空売りできるのは大雑把に見て半分程度です。
信用取引は使い方を誤れば大きなダメージを負う恐れもありますが、
必要以上に恐れることはありません。
要は自分の資金量に対してポジションを大きくしすぎなければよいわけで、
ここら辺は戦略を構築していく際にしっかり意識していきましょう。