株の取引手法あれこれ
ひと口に株取引をする、と言っても、
その手法は様々です。
手法を考えるときに重要となるポイントとして、
取引の時間軸をどうするか?
ということがあります。
時間軸の考え方は大きく分けて2つです。
①買ったら(数年に渡り)長く持ち続けるのか?
②短期(数日)売買を繰り返していくのか?
①と②の違いは何かと言いますと、
何を取引対象としているか、です。
何って「株」でしょ?
って思いますよね。
まぁ、表面的にはそうなんですが、
本質的な部分で全く違ってきます。
①は企業の価値を、
②は市場参加者の心理を
取引の対象としています。
そのため、売買の判断基準も全く異なってきます。
①は企業の業績や経済動向の分析、
すなわち「ファンダメンタルズ分析」に
基づいて投資します。
②は株価の動きそのものを分析する
「テクニカル分析」を重視します。
そしてそれぞれさらにいろいろな手法が存在しています。
世の中に流れる株の情報は、この時間軸の違いに関係なく
ごちゃまぜで流れてきます。
短期売買をしている人にとっては、
数日間、場合によっては数時間、数分間の株価の動きが全てですから、
企業の将来性について必死に分析したところで全く意味がありません。
今日株を買って明日には売ろうとしているのに、
日経新聞や会社四季報なんかをじっくり読んでいたって
何の意味もないっていうことは感覚的にも分かりますよね?
逆に、長期投資を考えている人にとっては、
短期の値動きは単なるノイズに過ぎず、
日々の株価の動きは見る必要もないかもしれません。
いや、むしろ見ない方がよいと思います。
長期投資というのは、株を買っているというよりは、
その企業の一部を買っているということです。
その企業が将来に渡って業績を伸ばしていくことを期待するわけですから、
注目すべきは今日明日の株価ではなく、その企業の本来的な価値、
すなわち所有する資産やビジネスモデルといったものになります。
では、個人が取り組むとしたらどちらがよいのか?
これはその人の性格や考え方、資産背景などによって
全く答えが違ってくるかと思います。
私自身は短期トレード派です。
企業の業績と株価は確かに数年のスパンで見れば連動しています。
しかし、実際にはいつ上がってくれるのかは全くもってわかりませんし、
そもそも業績の伸びる企業を見抜くこと自体が困難です。
企業が何年も先にどうなるか、なんて簡単には分からないと思いますし、
10年株を保有した企業が倒産、とかになったら悲惨です。
さらに、長く保有するということは、
その期間の値動きは全てノイズとして無視するわけです。
市場ではリーマンショックのような大暴落が起きることもありますし、
そこまでいかなくても暴落なんてしょっちゅう起こっています。
その企業の業績がどんなに健全であっても、
市場全体が暴落すれば巻き込まれることは避けられません。
そのような時も一時的なノイズとして耐えるわけですね。
これはなかなかしんどいと思います。
そんな理由から、私は長期投資はしていません。
もちろん、あなたが長期投資をしてはいけない、
なんてことを言っているわけではありません。
ただ、あなたが株を取引するときは、
自分がいったい何を取引対象にしようとしているのか、
時間軸について、しっかり意識しておいた方がよいと思います。